Photography · Film · AerialEst. 2024 — JP
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← Journal2026.05.23 · 視点

「あとで決める」は、見る力を鈍らせるか

「あとで決める」は、見る力を鈍らせるか

360°で全部撮る。AIがノイズを消し、色を整え、構図まで提案する。撮影の多くの判断が「あとで」に回せるようになりました。私はこの流れを否定しません。ただ、ひとつだけ手放したくないものがあります。

現場でしか生まれない決断

写真が生まれるのは、たぶんシャッターを切ると決めた、その一瞬です。何に心が動いて、なぜ今なのか——その一次的な判断は、机の上では再現できません。全部撮れる安心は、時にその「決める」筋肉を弱らせる。撮る前に見る、という順番を、私は守りたい。

AIは、下限を上げ、上限は上げない

AIは失敗を減らし、平均点を確実に上げてくれます。でも、心を打つ一枚の「上限」は、いまも人の目にしか作れないと感じます。だからこそ、道具が賢くなるほど、私たちは現場での観察に時間をかけたい。あとで直せる、と思わずにシャッターを切る緊張感が、作品の温度を決めている。